【HSK6級語法】“不得已”と“不得不”はどう違う?ハイレベルな理解で一歩先の中国語を!
こんにちは、このめです。
みなさん中国語の勉強はどれくらい進んでいらっしゃるでしょうか。
語法の問題に関して、中国語を勉強していれば誰でも一度は悩むことがあると思います。
単語帳を必死に何周もして、単語の意味を覚えたのは良いものの、実際にどう使えば良いか分からないという経験をされている方もいるかもしれません。
今回は、“不得已 bùdéyǐ”と“不得不 bùdébù”の違いについて扱っていきます!
共通点
これらの単語の違いを見ていく前に、まず共通点を確認しておきましょう。
“不得已 bùdéyǐ”と“不得不 bùdébù”は、どちらも「仕方がない、そうしないことができない」を表します。
また文章によって、この2つの単語は入れ替えが可能です。
例えば、
- 路上遇雨,我们不得已/不得不又回来了。=道中で雨にあったので、私たちはやむを得ずまた戻ってきた。
このように、“不得已”と“不得不”で入れ替えが可能であることがあります。
最大の共通点
“不得已”と“不得不”の最大の共通点は「どちらの単語も動詞を修飾することができる」ことです!
つまり、いずれも“不得已+(動詞)”,“不得不+(動詞)”の形で用いることができるということです。
どちらも動詞を修飾することができるため、混同されやすいのですね。
相違点
さて、ここからは本題となる相違点を確認していきましょう。
“不得已”と“不得不”には主に3つの相違点があります。
以下で詳しく見ていきましょう!
名詞との組合せ
1つ目の相違点は「名詞との組み合わせ」に関してです!
“不得已”は形容詞なので、名詞を修飾することができます!ただし、名詞を修飾する際は“的”を伴うので注意しましょう!つまり“不得已+的+(名詞)”のように用いるということです。
一方で、“不得不”は動詞を修飾することしかできません!
不得已:名詞も修飾可能
不得不:動詞のみを修飾
それでは例文を見ていきましょう!
例文
- 在不得已的情况下,只好这么办。=どうしようもない状況にあっては、ただこうするしかない。
- 他知道这只是万不得已的办法。=彼はこれがただのまったくもってやむを得ない方法であることを承知している。
“万不得已”(成語)で「万やむを得ない」という意味になります!“万”がつくことで“不得已”の最上級となるイメージです。
単独での用法
2つ目の相違点は「単独での用法」に関してです!
“不得已”には単独での使い方があります!
具体的には、“(主語)+是+不得已”という形や、“……,不得已,……”のような単独のフレーズとしての使い方があります!
一方で、“不得不”にはそのような用法はありません。
不得已:単独で使うことができる。
(“(主語)+是+不得已”,“……,不得已,……”)
不得不:そのような用法はない。
それでは例文を見てみましょう!
例文
- 这实在是不得已。=これは本当に仕方のないことだ。
- 他半夜动身是不得已。=彼が夜中に出発したのは、やむを得ないことだ。
特別な組合せ
3つ目の相違点は「特別な組合せ」に関してです!
“不得已”は“因为/由于/出于/迫于”などと組み合わせて用いることができます!(介詞と組み合わせることで、やむを得ない理由や事情を表します。)
一方で、“不得不”にはそのような用法はありません。
不得已:“因为/由于/出于/迫于”と組合せ可能。
不得不:そのような用法はない。
それでは例文を見てみましょう!
例文
- 他们这样做是出于不得已。=彼らがこのようにしたのはやむを得なかったからである。
- 这是迫于不得已的措施。=これは余儀なくとった措置である。
- 敌人不到不得已是不会放弃的。=敵はどうしようもない状況になるまで諦めない。
“到不得已”の形で甚だしい程度を表し、否定形で表されることが多いです!例文に入れてみましたが、難しいので覚えなくても大丈夫です。(“到”を介詞でないとする立場もありますが、都合上ここに例文を入れました。)
まとめ
以上をまとめると、以下のようになります!
不得已 | 不得不 | |
---|---|---|
名詞との組合せ | ◯ | × (動詞のみを修飾) |
単独での用法 | 単独で使うことができる | そのような用法はない |
特別な組合せ | “因为/由于/出于/迫于”と組合せ可能 | そのような用法はない |
この他によく使われるものとして、“不得已”に関連した成語の“万不得已”「万やむを得ず」と“迫不得已”「やむを得ずに迫られて」があります。この機会に抑えておきましょう!
いかがでしたか?
説明されれば簡単な“不得已”と“不得不”の違いですが、実際に意識しなければ意外と違いはわからないかもしれませんね。
また、上級者であっても細かな違いや使い方は見落としがちになるかもしれません。
ぜひこの機会にしっかりと確認し、自分のものにしてみてください!
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