【中国時事ニュース解説】”日本肺炎”は誤訳!正しい文法理解でもうデマには流されない!【新聞で生の中国語丸わかり!】

中国ニュース

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こんにちは!

今朝のYahooニュースでこんな話題を見かけました。

中国大使館が新型コロナを“日本肺炎” デマ拡散が映す日中「漢字」ギャップ

大使館の公式サイトで在日中国人向けに発表されたメッセージの一部が日本で誤解を招き、騒動になったという記事です。そのメッセージは以下の通り。

目前,日本新型冠状病毒肺炎疫情不断变化,我在日同胞对此高度关注。

(目下、日本での新型コロナウイルスの感染状況は常に変化しているため、日本に住む同胞から高く注目されている)(訳はYahooニュースより引用)

この一文中の“日本新型冠状病毒肺炎”という部分を取り上げて、中国が新型コロナを「日本肺炎」と称している、という誤解が招いた騒動です。

ではこの誤解を招いた一文、正しくはどう読むべきなのでしょうか?

文法解説

この文の構造は非常に簡単です。まずはピンインと単語を見てみましょう。

日本新型冠状病毒肺炎疫情不断变化

単語リスト

日本 Rìběn:日本。

新型冠状病毒肺炎 xīnxíng guānzhuàngbìngdú fèiyán:新型コロナウイルス肺炎。

疫情 yìqíng :疫病の発生や蔓延などの状況。“疫病情况yìbìngqíngkuàng”の略称と考えてよい。

不断 búduàn:絶え間なく、〜し続けている。

变化 biànhuà:変化する。

文の構造

文の構造は以下の通り

  • “日本新型冠状病毒肺炎疫情”は“不断变化”の主語。
  • “日本”は“新型冠状病毒肺炎疫情”の修飾語。
  • “新型冠状病毒肺炎”は“疫情”の修飾語。

“日本”は“新型冠状病毒”を修飾しているのではなく、“疫情”を修飾していると考えて良いでしょう。中国語では、名詞を修飾する際よく助詞が省略されます。特に書き言葉で、地名が修飾語となる時によくこの傾向が見られます。

助詞が元々少ない上、よく省略されてしまう中国語。単語同士の修飾関係をしっかり掴むことは、中国語読解力の最重要ポイントと言っても過言ではありません。

このサイトで以前紹介したニュースに、“武汉市新冠肺炎新增确诊人数连续多天保持在个位数”という一文がありました(こちらの記事を参照)。この“武汉市”は“新冠肺炎新增确诊人数”を修飾しています。もし誤解された読み方と同じように、“新冠肺炎”を修飾していると読んでしまったら、中国が「武漢市コロナウイルス」と自称していることになってしまいますね。

用例

以下、同様の構造を持つ用例を集めてみました。もしこれを読み間違えれば、中国各地が自分のところで発生したウイルスと自称していることになってしまいますね。

中国国内の地名

中国新冠疫苗开始人体注射实验,首批志愿者已注射

2020年3月20日0时至24时辽宁新型冠状病毒肺炎疫情情况

湖北省新型冠状病毒感染肺炎疫情防控指挥部通告

视频丨武汉市新型冠状病毒感染的肺炎死亡病例增至6例

北京市新型冠状病毒肺炎疫情防控工作新闻发布会(3月19日)

四川省新型冠状病毒肺炎疫情最新情况(3月20日发布)

中国以外の地名

美国新冠肺炎累计超1.3万例,国务院发布最高级别全球旅行警告

伊朗新冠肺炎确诊病例总数增至19644例 1433人死亡

3405例!意大利新冠肺炎累计死亡病例超中国,全球有6国确诊破万

俄罗斯3名莫斯科居民确诊新冠肺炎,两周内均去过意大利
本文に“俄罗斯新型冠状病毒”とあります。

两天激增316% 韩国新型冠状病毒确诊感染者升至433人

いかがでしたか?

中国語学習者にとって、漢字は大きく頼りになる面もありますが、時として誤解を招く要因にもなります。
しっかりと文の構造を捉え、言葉の意味を正しく把握することで、何を伝えたいのかを理解することが重要です!

ぜひこのページを、普段の勉強にお役立てください!

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